僕は金が大好きで、時代劇で何が好きかというと、小判が乱れ飛ぶシーンや、高盆に積まれた最中のような白い楕円の包みが賄賂としてひそかに渡されるシーン…。あれは堪らない。中学生の頃に「ゴールドフィンガー」や「黄金の七人」を観て“金”に魅せられ、何度も映画館に通った。それから、釣り道具屋で買った鉛を溶かしてその上に金粉を塗って金塊を作ったり、身の回りのものを片っ端から黄金に変えて愉しんでいた。金は素晴らしい。お風呂屋さんで、年齢の割に異様に元気な老人が、首に金のチェーンと金貨をぶら下げているのを見て、金の効能を実感し、時々僕もぶら下げるようになった。金は人間を元気にするのだ。金は音色も素晴らしく、金貨を指で空中に弾くと、どんな硬貨でも出せない「ピ~~~~ン!」という、澄みきった実に高貴な音がする。たぶん楽器の素材としても最高のものだろう。いつか、一度でいいから本、物の小判を、心行くまで齧ってみたいと思う。
つい五分ほど前、京都の上空で人工衛星が燃え尽きるのを見た。
美しかった!
流星よりもずっと遅く、低空を飛ぶ軽飛行機よりも早かった。
先端の炎は2~3に分かれてレモン色に輝いていた。
一昨日の29日。
朝からいろいろばたばたしていて、いつも行くお風呂旅館で朝風呂に入った後、体重が増えていたのでもう少し減らそうとトイレに行って大をした。
それで尻を洗って拭いて立ち上がると、ナント! 座っていた便座にうんこがあるではないか!
一瞬自分のかと思ったがどう考えてもそんなはずがない。念のために「ソレ」が当たっていた辺りを触って臭いを嗅ぐと、明らかに他人の糞だ!「あ~~~!!」と声が出かけたところへ妻から電話がかかってきた。
「ええとこへかけてくれた。会社へパンツ持ってきてくれ!」と言って、妻の用は聞かずに切り、もう一度便座に座って糞が付いていた辺りを一生懸命温水で洗う。そうしているうちに上半身も汗だくになり、これはあかん、シャツも持って来てもらおうと、妻にかけなおしたがつながらない。 仕方がないのでとにかく洗い続け、トイレを出てからもう一度3階へ入浴しなおしに行った。脱衣場で、さっきまでサウナで一緒だった客と顔を合わすが、挨拶もせずに脱ぎ、約10分間入浴して水を浴びて、そこを出、もう一度帰宅して着替えて出勤した。
昼前になって妻が現れたが、余り言いたくない話なので知らん顔していると、妻が不思議そうに尋ねた。
「お父さん、留守番電話に、なんか水の音みたいなの5分も入ってるんやけど…なんか知らん? これ………」
