Write | Admin 






大学時代の後輩から届いた1通の年賀状の差出人欄には、彼の奥さんの名前があった。
 
えっ!と驚き、彼を良く知るもう一人の後輩にメールを送り、彼の安否について何か聞いているかと問うたが返事がなかった。そういえば、去年年賀状が来なかったような気がする。
元旦草々、気分が落ち込んでしまった。
妻も彼のことをよく知っていたので、二人で彼の思い出話をした。僕らが結婚して間もない頃よくアパートにやってきて、徹夜で麻雀したことや、こども好きで優しかったこと。彼はよく昔から胃のあたりをさする癖があったから、たぶん胃癌で、まだ若いから進行も早かったのだろうと二人で推し量った。
人生皮肉なもの、いい奴から順に逝くものだ。
 
朝風呂を浴びたあと、隣の部屋では妻の仲間たちが新年会を始めていたが、僕は交わらずひとり隣の部屋でで飲み始めた。
そして少し気分が解れてきた頃、せめて奥さんにお悔やみでもと、電話を入れた。
彼の奥さんとは10年以上前に、彼の家で一度ご挨拶をした程度だったが、すぐに思い出してくれた。
 
「ご無沙汰してます~!ちょっと待ってください」
「もしもし。あー來田さん、お久しぶり、おめでとうございます」
「…あのなあ…」
今年の年賀状はどうやら奥さんに代書させて、奥さん自分の名前を書いてしまったそうだ。
 
「まあ今年もよろしく!」
「また飲もか!」
 
二人で腹を抱えての電話、今年の笑い初めだった。
[346] [345] [344] [343] [342] [341] [340] [339] [338] [337] [336]
カレンダー
01 2020/02 03
S M T W T F S
1
2 4 5 8
10 11 13 14 15
16 17 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
アーカイブ
バーコード
ブログ内検索