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30年前、あの白い山脈の右端から左端まで、ひとりで縦走した。
1週間ほどかかったと思う。
なぜ歩いたかというと、実はその頃トライアルに凝っていて、南アルプスをトライアルバイクで全山縦走しょうと思い、下調べにきた訳だが、初日で“絶対不可能”だとわかってやめた。
バイクでの走破は取りやめにしたが、折角なので徒歩での縦走はすることにした。
 
今はどうか知らないが、当時南アルプスの道中の山小屋は、無人の非難小屋しかなく、つまり途中で食料の調達が出来ないため、下界から予定日数分プラスアルファの食料や装備を上げなければならず、まともにひとりでこれを背負うのはかなり困難なため、南アルプスの縦走はチームでやるのがきまりごとだった。
 
こちらはそういう訳にはいかないので一計案じ、ビタミン剤と、高カロリーのピーナッツやチーズやサラミといった酒の肴ばかりを、背負子型のバックパックに詰め込んで出かけた。
これで、荷物の重量は16キロに抑えられた。
しかしこの食事も、初日はなんともなかったが、二日目から気分が悪くなった。
 
で、二日目の夜からは、バッグから取り出した酒の肴を手土産に、どこかの賑やかなチームのテントに出かけていって、飯や酒を振る舞ってらうことにした。
高度3,000メートルでのサラミソーセージは貴重品で、この作戦は大成功だった。
 
こうして朝になり、前夜世話になったチームが重い荷物を担いで歩き始めるまえに、僕はマイペースで彼らの先を歩いていた。

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