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先日ヤフオクにアートバンクの法人著作イラストが使用された『連合白書(2012)』が出品されているのを知って、早速購入した。

90年代の終わり頃、写真エージェンシー協会(JPAA)のパーティの二次会で、当時業界を代表する存在であったオリオンプレスのイラスト専門部門の代表が、「アートバンクさん!あの群衆のアイデアは良いですねえ!うちでもパクらせて頂きますよ。でも訴えないでくださいね〜^^;」と、悪びれず話してたことがある。この業界でパクリは日常茶飯事、あそこでこんなコンテンツがヒットしているという情報をキャッチしたら、判を捺したように他社でも類似品が作られていた。こういう風に正直に「パクらせてもらいますよ」なんてざっくばらんに話すのは珍しい例だ。

人の顔はパブリシティー権(いわゆる肖像権)の問題が絡むため、特に群衆などの写真は怖くて使えない。でも強い潜在ニーズは市場にあるわけで、この問題をクリアするためには、人形で作るのが一番だと思い、人形の群衆シリーズを90年代の中頃に始めた。この表紙のイラストは17〜8年前に、うちの工房で何ヶ月もかけて作ったもの。

人形の本体は、紙粘土の制作から筆による着色まで京都工繊大を出た女の子が毎日コツコツと作ってくれて、仕上がった人形を一体づつ角度を変えてスタジオでデジタル撮影し、それぞれパスをつける作業をした後に、撮影した角度ごとに分類してデータベースを作り、最後にMACの担当者が完成予想図に基づいて服の色を変えたり反転させたりしながら、遠景から順に重ねて行く。この方法でバリエーションも沢山作った。

まあこれだけの密度の作品を1から作ろうと思ったら大変な時間とお金がかかるが、それをする何十分の一の料金で借りられるところにこそ、写真エージェンシーの存在価値があるというもの。
「パクらせて頂きますよ」と言ってたところが出したカタログの群衆シリーズ、実はどんなのが出来るか楽しみにしていたのだが、出たのは手描きの人物イラストをいろいろ重ね合わせただけの群衆で、正直ガッカリした。アイデアも借り物なら作る物も粗悪品。一時は業界の指導的立場にいたオリオンプレス、カラーボックスも、慧眼進藤さんの率いるアマナイメージズに吸収されてしまった。

アイデアは著作権では保護されない。でもね、そのアイデアがいちばん大事なんですよ。
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