一酸化炭素中毒も怖いが、化学物質が燃えたときの煙は神経を直撃してパニックを引き起こす。
小学生のころ、どこの家でもよく庭や空き地でゴミを燃やしていた。
僕は火遊びが好きで、焚き火があるとどこにでも出張して、他の人達がよそ見しいている間に、花火や密封した容器などを放り込み、自分は離れて楽しんだりしていた。
ある日のこと、焚き火の近くにあった水道の配管用の塩ビのパイプで、火をいじくったり、口に付けて吹いて火力を強めたりしていたとき、先端に火が移った。火がついたまま手許の口から吹くと面白いのでしばらくやっていたが、やがて飽きてきて、ほんの出来心で吸い込んでみた、その途端猛烈な痛みと苦しみに襲われてのたうち回った。
気管支や肺が焼けるようで本当に息が出来ないのだ。あんな恐ろしいことは滅多にない。
塩ビやプラスチックが焼けたときの煙は、神経を直撃し、その場で正気を失ってパニックを起こす。ほんのちょっとでも吸ったら終わりだ。
もし都会で火事に遭遇したら、絶対に煙を吸わないようみんな注意して。
もし都会で火事に遭遇したら、絶対に煙を吸わないようみんな注意して。
臭いも何もなく、身体が次第に怠くなり、それと気がつく前に、徐々に意識がやられはじめる。
以前一度だけ、石油ストーブでやってしまった。
部屋の空気抜きといえば、ガラス戸の上部の小窓が南北2箇所だけで、部屋の機密性は高かった。
最初は風邪のような怠さだったが、どうにも気分が悪くなってきて、ひょっとして!と気付き、すぐさま戸を開け半身乗り出して、冷たい空気を思い切り何度も吸い込んだ。外はひどく寒かったが全身から凄い量の汗が噴き出してきて流れだした。手を見ると血の気が失せて真っ青だった。
それから後の1週間というもの、まるで脳に鬆(ス)が入ったように、思考力が低下していた。
眠り込んだら絶対に死んでいた。
みんな、気をつけて。
みんな、気をつけて。
